オノ・ヨーコは、言葉や行為によって想像力を刺激し、日常に潜む惰性的習慣や束縛から鑑賞者を解き放つ作品を発表し続けています。8/ ART GALLERY/ TOMIO KOYAMA GALLERYでは、オノが19歳の頃に制作した「見えない花」のエディション作品を展示いたします。個展「YOKO ONO: FROM MY WINDOW」(東京都現代美術館、2015-16年)にてオリジナルが初公開された「見えない花」は、詩のような英文とイメージによって構成されるドローイング集です。作品からは作家のみずみずしい感性と、彼女の芸術の知られざる原点を見てとることができます。本展では、ショーン・オノ・レノンの全面的な監修のもと、最新の技術をもってオリジナルに忠実に再現されたデジタルアートプリント作品を展示。作家の写真とメッセージが新たに加えられた、351部限定のボックスセット作品です。「スメリー・ジョン」を読んでびっくりした。母が父に出会う前に、これを書いていたなんて信じられなかった。時が意識の中でワープした。「スメリー・ジョン」は父のことではないか?(中略)母の失われていた作品が、これでよみがえる。最高だ。この作品の再現は僕が全ページを監修した。もちろん、これは当然のことだ。この作業中、母の最大のファンであった父の存在を身近に感じた。こういう作業を父と一緒にやりたかった、と心から思う。父はどんなに喜んだだろうか。(ショーン・オノ・レノン「オノ・ヨーコ/見えない花(スペシャル・ボックス・エディション)」プレスリリース、キメラライブラリー、2013年)
オノ・ヨーコは1933年東京生まれ。1953年に家族とニューヨークに転居、以後世界中で展覧会やパフォーマンスを行い、オリジナルな作品を発表し続けています。これまで数多くの展覧会を行っており、2000-04年には世界各国を巡回する大規模な回顧展「YES オノ・ヨーコ」展を開催。近年では「Yoko Ono: One Woman Show, 1960-1971」(ニューヨーク近代美術館、2015年)、「YOKO ONO: FROM MY WINDOW」(東京都現代美術館、2015-16年)が好評を博しました。2009年ヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞生涯業績部門受賞、2011年第8回ヒロシマ賞受賞。
小山登美夫ギャラリーの北参道のスペースでは5年ぶり2回目の新作展となるオノ・ヨーコ「硝子の角」(5月14日〜6月25日)を同時開催致します。