柏原由佳は1980年広島県生まれ。2006年に武蔵野美術大学造形学部日本画学科を卒業し、渡独。2012年にはVOCA展に出展、佳作賞と大原美術館賞を受賞しています。同年、ポーラ美術振興財団在外研修員としてドイツにて研修。ライプツィヒ視覚芸術アカデミーを2013年に卒業し、2015年同アカデミーマイスターシューラーを取得しました(Annette Schröter教授に師事)。2013〜2017年武蔵野美術大学造形学部日本画学科非常勤講師。2022年より拠点をドイツから日本へ移し、制作活動を行っています。
主な個展に、「借景」(バウハウス・デッサウ財団研究員Torsten Blumeによるキュレーション、バウハウス・デッサウ、ドイツ、2008年)、「最初の島 再後の山」(大原美術館、岡山、2016年)などがあり、小山登美夫ギャラリーでは2011年、2012年、2013年、2016年、2019年と5度の個展が開催されました。
柏原由佳は、透明性と濃密さが共存した、生命力溢れる独特な作品世界をつくりあげています。
彼女の絵画制作は、西洋の伝統的な古典絵画技法に基づき、半油性下地を独自の配合で混ぜ合わせてキャンバスに塗りこむ作業からはじまります。そこでできあがったオリジナルのキャンバスの上に、油絵の具を日本画のように薄く溶き、同時にテンペラ絵具も用いながら描いて独特な深い色彩を表現するのです。
柏原の作品には、現実の景色と内なる想像の空間がゆるやかに編み込まれて存在します。その背景には、日本を離れ渡独して制作を続ける彼女の、内と外の「距離」への興味が介在しているといえるでしょう。ドイツと日本の物理的な距離、それぞれの文化間での精神的な距離、また日本人としての自分と、ドイツにいる自分との距離。それは彼女が作品で繰り返し取り上げる洞窟、穴、山、湖といったモチーフを、内省的な思索をシンボリックにあらわすものへと昇華し、大地にひそむ根源的な自然のエネルギーをも喚起させています。
出版物
http://tomiokoyamagallery.com/publications/artist-meets-kurashiki-vol-14-book/
個展
2022 | 「Yuka Kashihara」Acquavella Galleries、パームビーチ、アメリカ |
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2021 | 「檸檬」第一生命日比谷本社1階ロビー、東京 「1:1」ポーラ ミュージアム アネックス、東京 |
2019 | 「Polar Green」8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京 |
2017 | 「Self Similar」Gallery Martin Mertens、ベルリン、ドイツ |
2016 | 「最初の島再後の山」大原美術館、岡山 「空目つむぎ」8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京 |
2013 | 「跡の後」小山登美夫ギャラリー、東京 |
2012 | 「トランジション」TKGエディションズ 京都 |
2011 | 「〜真ん中へ」小山登美夫ギャラリー、東京 |
2008 | 「借景展」バウハウス、ドイツ |
グループ展
2023 | 「Plastic Revives」ポーラ ミュージアム アネックス、東京 |
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2022 | 「Spring is around the corner」展、ポーラ ミュージアム アネックス、東京 「Unnatural Nature: Post-Pop Landscapes」Acquavella Galleries、パームビーチ、フロリダ/ ニューヨーク、アメリカ |
2021 | 「萬華鏡 KALEIDOSCOPE」YIRI ARTS、台湾 「Find your travel」ポーラ ミュージアム アネックス、東京 「TOKYO⭐︎VOCA Ⅱ」第一生命ロビー、東京 |
2020 | 「Christmas Smile」ポーラ ミュージアム アネックス、東京 「TOKYO⭐︎VOCA」第一生命ロビー、東京 |
2019 | 「小山登美夫ギャラリー コレクション展 4」8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京 |
2016 | 「Klassen Treffen」クンストハレ・シュパーカッセ、ライプツィヒ、ドイツ 「コレクションテーマ展40 VOCA大原美術館賞の10年」大原美術館、岡山 |
2015 | 「Malerinnen aus Leipzig」クンストハレ・シュパーカッセ、ライプツィヒ、ドイツ 「柏原由佳・川島秀明・工藤麻紀子・桑久保徹・桑原正彦・福井篤 作品展」8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京 |
2014 | 「ポーラミュージアムアネックス展 2014 −光輝と陰影−」ポーラ ミュージアムアネックス、東京 「Ohara Contemporary at Musabi」武蔵野美術大学美術館、東京 「Kein Spaß」Masterclass Exhibition、ドレスデン、ドイツ |
2013 | 「Kein Spaß」Masterclass Exhibition、エアフルト、ドイツ 「Ohara Contemporary」大原美術館 分館、工芸・東洋館、岡山 「アートがあれば ll −9人のコレクターによる個人コレクションの場合」東京オペラシティ アートギャラリー |
2012 | 「VOCA 2012 現代美術の展望 −新しい平面の作家たち」上野の森美術館、東京 |
2011 | 「Mind The Gap」シュペックス-ホーフ、ライプツィヒ、ドイツ |
2008 | ガレリエ・ブルグストラッセ、ハレ、ドイツ |
2007 | ガレリエ・ブルグストラッセ、ハレ、ドイツ |
パブリックコレクション
大原美術館、岡山
クンストハレ・シュパーカッセ、ドイツ
南城美術館、沖縄
受賞歴
2012 | 佳作賞、大原美術館賞受賞、VOCA 2012 現代美術の展望 −新しい平面の作家たち |
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出版物
『Artist Meets Kurashiki vol.14 柏原由佳 最初の島 再後の山』2016 大原美術館 論考:柳沢秀行(大原美術館)
チャリティオークション「Plastic Revives」展、ポーラ ミュージアム アネックス、東京
チャリティオークション「Spring is around the corner」展、ポーラ ミュージアム アネックス、東京
個展「Yuka Kashihara」Acquavella Galleries、パームビーチ、アメリカ
グループ展「Unnatural Nature: Post-Pop Landscapes」Acquavella Galleries、パームビーチ/ ニューヨーク、アメリカ
グループ展「萬華鏡 KALEIDOSCOPE」YIRI ARTS、台湾
チャリティオークション「Find your travel」展、ポーラ ミュージアム アネックス、東京
個展「檸檬」第一生命日比谷本社1階ロビー、東京
グループ展「TOKYO VOCA Ⅱ」 第一生命ロビー、東京
個展「1:1」ポーラ ミュージアム アネックス、東京(事前予約制)
グループ展「Christmas Smile」展 チャリティーオークション、ポーラ ミュージアム アネックス、東京
個展「Self Similar」Gallery Martin Mertens、ベルリン、ドイツ
個展「最初の島 再後の山」大原美術館、岡山
グループ展「Klassentreffen」Kunsthalle der Sparkasse Leipzig、ライプツィヒ、ドイツ
グループ展「コレクションテーマ展40 VOCA大原美術館賞の10年」大原美術館、岡山
グループ展「アートがあればⅡ −9人のコレクターによる個人コレクションの場合」東京オペラシティ アートギャラリー、東京
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8/TV/090 IN THE ARTIST’S STUDIO | YUKA KASHIHARA
CREDIT
Executive Creative Director : Kenmei Nagaoka (D&DEPARTMENT PROJECT)
Producer : Mitsuko Matsuzoe (D&DEPARTMENT PROJECT)
Director, Interview : Masaya Suzuki
Camera : Hirotatsu Koarai, Masaya Suzuki
Production Manager : Tatsuya Kawano