カンボジアで最も重要な若手アーティストの一人であるクゥワイ・サムナン(Khvay Samnang)。本展では1960年代に政府によってプノンペンに建てられた、通称「ホワイト・ビルディング」というアパートの住民を撮影した2010-2011年の「Human Nature」シリーズからの作品を展示します。芸術に関わる人々の住居として当初建てられた「ホワイト・ビルディング」は現在では劣化が進み、「白いビル」ではなくなってしまいましたが、芸術に関わる人々も含め様々な住民が生活しています。彼らを撮影したクゥワイの作品は、特定の生活環境のドキュメントでもありますが、シリーズ名が示すように普遍的なものも映し出しているように思えます。 クゥワイは2013-2014年の第4回シンガポールビエンナーレに参加。開発のために埋め立てられ、住民が立ち退きになった湖で砂をかぶるパフォーマンスを収めたビデオ作品「Untitled」を展示しました。また日本では、2010-2011年にトーキョーワンダーサイトのTWSクリエーター・イン・レジデンスプログラムに参加しています。